【100日経っても幸せなヤツ】88日目
四枚の羽根の天使とドラゴンが並んで空を飛んでいる。
天使は「君たちには名前はあるのかい?」と問うた。
猫も、ドラゴンも、勿論生き物にも名前はない。
名前がないということにも慣れてしまった。
「そうか、でも大丈夫。君たちを見ている人たちが名前を付けてくれているさ」
天使は不思議なことを言ってフフフと笑った。
天使に名前を問うても「私もないんだよ」とはぐらかされるだけだった。
名前がないもの同士谷の底に向かって飛んで行く。
途中、きらりと光るものを見つけて生き物は反射的に視線を向けた。