じかんどろぼう

四十物茶々(あいものちゃちゃ)です。ゆっくりとSSを上げていきます。

【100日経っても幸せなヤツ】63日目

その日生き物は、朝から庭を掃除していた。犬が駆け回って居たため踏み荒らされた畑を直している。
瞳を閉じると、犬が元気に庭を駆け回っている。それだけで心がほっと温かくなるのを感じた。
ゆっくり腰を落として犬のお墓を掃除していると背中に何かが乗ったのを感じて振り返る。

「にゃぁ」
「ぎゃう!」

猫とドラゴンの親子だ。
猫は一目見て生き物に元気がないことに気づいたのか、その頬を小さな舌で舐め始めた。
グルーミングは信頼の証だ。
ドラゴンも真似して生き物の手をあぐあぐ甘噛みする。
ありがとう、と思いながら、生き物はそっと目を閉じた。