【100日経っても幸せなヤツ】81日目
化け物はその他にも生き物にこの世の事を教えてくれた。
燃える地の話、永久の雨の森の話、全てが天界からの干渉によって生じた地形変動だという話。
「奴らはこの世界を生き物の住めない土地にしてから、全てを浄化する気らしい」
しかし、生き物はまだ自分の事をまだ魔物だとは信じていない。
確かにこの化け物の言葉は理解できるが、それはたまたまなのではないかと信じていた。
遠くの方から猫の鳴き声が聞こえて振り返る生き物をみて化け物はゆっくりと顔をそちらに向けた。
ドラゴンの背に乗った猫が「シャーッ」と泣き声をあげて化け物に挑みかかった。
長い爪が化け物にヒットするがスライムに刃物を突き立てた時のように大した威力も与えないままゆっくりと重力に向かって落ちていく。
「なんだこの薄汚い生き物は」
長い触手で猫をバチンと叩こうと化け物が振り上げた所で生き物が二匹の間に割って入った。
猫を庇う姿を見て、化け物は「何故?」と問う。
この子は旅の仲間だと告げると、化け物はそうか、独りじゃないのかと喜んでいるように見えた。
上空で旋回し、急降下してくるドラゴンの尻尾を掴んで地面に叩きつけた化け物は、「これも同胞だが、どちらかというと使い魔だ」と伝えた。
ドラゴンに駆け寄る猫と生き物を見て、「三人で旅をしてきたのか?」と化け物が問う。
生き物は何か問題があるのか!と鼻を鳴らした。