じかんどろぼう

四十物茶々(あいものちゃちゃ)です。ゆっくりとSSを上げていきます。

【100日経っても幸せなヤツ】41日目

猫とドラゴンの奇妙な共同作業を見ながら、生き物は散らかってしまった家を呆然と眺めていた。
まだ頭はぼうっとするが、幾分か怠さがマシになった生き物はゆっくりとベッドから起き上がろうとして、失敗した。
生き物の胸の辺りに猫が乗り上がり、起きることを咎めた。

まだ体が怠いことを察しているのだろう。
低い唸り声が頭上から響く。心配してくれているのだと思うと胸が熱くなった。

生き物は感謝しながら再び布団に潜り込む。
キラキラとした正午の日差しが、窓から差し込んで部屋を照らしている。
うとうとと、まどろみながら、玄関から顔だけ侵入した子ドラゴンを見て目を細めた。

「ぎゃあ」と嬉しそうにけたたましく叫ぶドラゴンの声に、驚いたらしい猫が、戸棚の中身を盛大に落として瓶を割っていくのは、あと少しの事。