【100日経っても幸せなヤツ】10日目
朝起きたら知らない匂いが漂ってきた。
寝床の扉をそっと開けると入り口には見たこともない鳥が息絶えている。
ちらりとあたりを見回すと昨日の野犬がこちらをじっと見ている。
これは恩返しのつもりなのだろう。
耳をピコピコ動かして生き物は大きく手を振った。
友好の証だが、犬には通用するだろうか?
生き物が鳥をそっと抱えると、犬は満足そうに一つ吠えて、背中を向けた。
長いしっぽが揺れている。
素敵な恩返しをもらったので、生き物は今日は鳥のスープを作ることに決めた。