じかんどろぼう

四十物茶々(あいものちゃちゃ)です。ゆっくりとSSを上げていきます。

【100日経ったら幸せなヤツ】92日目

鼻孔一杯に甘い香りが漂ってきて生き物は目を覚ました。
ベッドの上で伸びをしている生き物に気付いたのか、膝立ちになった天使が「おはよう」と笑う。
手元では、リンゴが煮詰められている。どうやらこの匂いで起きたらしい。
「もう少し時間がかかるから寝てていいよ。起きたらアップルパイを食べようね」
天使の笑顔はどこまでも明るく澄んでいる。
生き物はその言葉に甘えて再び横になった。目の前では猫が小さく丸まっている。
随分と信頼してくれたらしい。
生き物は増えた仲間の温かさに心がほっこりとするのを感じながら目を閉じた。