【100日経っても幸せなヤツ】48日目

昨日拾った人形たちを風呂に入れて窓際で乾燥させた。
埃の落ちたブロンドヘアは光を受けてキラキラ輝いている。
生き物はその細い髪の毛を指先でさらさらと撫でた。
指から零れる髪の束が、空気を纏ってゆったりと重力に伴って落ちていく。
とても綺麗だ。
生き物はふーっと息をついて、人形たちをゆっくりゆっくり撫でた。
まるで慈しむように。
服が少し擦り切れているのが可哀想だと思いながら生き物は、物置を開けた。
布を引っ張り出し、人形のドレスを作ってやることにする。
服を作るのは初めてだ。
上手くいくかは分からないが、生き物は鼻を鳴らして古いミシンに腰かけた。